~世界のハーブ事情~
人気のメディカルハーブは、数千年にわたり有益な結果を人体にもたらす植物として人類に重宝されてきました。日本では、生薬の承認制度がありませんので食品扱いですが、承認制度のある国では、承認を取得できた製品は治療薬として医療機関から処方されます。生薬の承認制度等の法律によって、さまざまですが先進国で生薬の承認制度を持たない国は、日本とアメリカのみです。
★エキナセア
別名:パープルコーンフラワー 和名:ムラサキバレンギク
北アメリカ原産のキク科の植物。アメリカ先住民の薬として主に根が使用されてきました。
現在では最も有名なハーブの一つ。
★ビルベリー
一般的に「ブルーベリー」と総称されている中の一品種で、ビルベリーは有効成分であるアントシアニン含有量が、他のブルーベリー種の2~3倍であると言われています。第二次世界大戦中にイギリス空軍のパイロットがビルベリーのジャムを食べておくと視界が良いと証言した事から視覚領域での科学的研究がイタリアやフランスを中心に勧められ、ロドプシンの再合成速度が早まる事があきらかになりました。
★カレンデュラ
別名:ポットマリーゴールド 和名:トウキンセンカ
地中海原産のキク科の植物。おなじみのマリーゴールドの一種です。日本においては観葉植物として有名ですが、ヨーロッパの国々では薬用ハーブとしても使用されています。メディカルハーブとしてマリーゴールドを用いる場合は、フレンチマリーゴールドなど他の品種のマリーゴールドと混同しないよう学名に因んでカレンデュラと呼びます。
★ギンコ
和名:イチョウ
イチョウは生命力の強い植物で、地球上に2憶年も生き続けている為「生きた化石」と呼ばれ日本でも長寿の象徴とされています。ドイツのコミッションEモノグラフではギンコール酸(アレルギーを起こす成分)を除去したイチョウ葉の標準化エキスを1994年に認知症の治療薬として認可しました。神経変性疾患であるアルツハイマー型認知症と、脳卒中などの脳の血管性病変を原因とする脳血管型認知症のいずれにも改善が認められた為です。
★ミルクシッスル
和名:マリアアザミ、オオアザミ
地中海沿岸地方原産のキク科の植物。メディカルハーブとしての使用部位は種子。ドイツでは種子の抽出物を精製したものが「レガロン」という肝臓の薬として承認されています。この薬はフランス、イタリア、ハンガリーなどのヨーロッパ諸国、アジアでは中国、韓国などでも承認され使われています。
※ドイツのコミッションEモノグラフという機関はドイツの厚生省のような国の組織機関です。

※参考文献
·メディカルハーブ輸入元資料
·「花の持つ癒しの魅力」…産調出版;アン·マッキンタイア:著
·「メディカルハーブの事典」…東京堂出版;林真一郎:編集